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第28回 発作性心房細動とその治療について② ~心臓病講義シリーズ その1~

[2023.03.18]

前回の心臓病の一つ発作性心房細動についての続きです。発作性心房細動は不整脈といわれる心臓病のカテゴリーに入る病気でしたね!発作性心房細動は

発作性:時々起こる、

心房:心臓にある4つのお部屋のうち左心房という場所で起こる、

細動:定期的に左心房がしっかりと収縮するリズムがプルプル震えるだけの動きになった。

という病気です。今回は発作性心房細動に対しての治療のお話をしていきます。

発作性心房細動をはじめとする心臓の不整脈という病気は、他の心臓の病気がなく不整脈発作が起こらなければ至って健康な状態と考えてよいでしょう。その為、

①不整脈発作が起こらないようにする。

②不整脈が起こった時に続発する脳梗塞等の合併症を防ぐ。

③不整脈が起こった時に自覚症状がある人には生活に困らないように症状を緩和する処置をとる。

この3点を主題に治療を行います。①について、抗不整脈薬という内服治療が中心となります。抗不整脈薬は多数の種類があるため、不整脈の種類、体質や他の基礎疾患を考えたうえで選択されます。その為、循環器内科専門医での治療をお勧めいたします。また、発作性心房細動のカテーテルによる根治治療は約15年前頃より始まり、現在では地域の主幹病院で積極的に行われています。カテーテル治療は細い管を心臓の内側まで到達させて、その先端に熱を持たせることにより不整脈の発症部位を変性させて根治させる治療です。現在、発作性心房細動をお持ちの方の数が多く、内服治療が主流となっています。②に関して、血をサラサラにするお薬の内服となります。以前はワーファリンしか有効な薬がなく、ワーファリンを内服すると納豆等、飲食に制限が必要となっておりましたが、最近では食生活に制限の必要のないトロンビン阻害薬、Ⅹa阻害剤といった種類のお薬も使えるようになりました。但し、アスピリンといった薬は効果がないため薬の選択には専門医の指導が必要と考えられます。③に関しては発作性心房細動の発作が起こった際に発作のため脈が非常に早くなり動悸が激しく感じられる人には内服で動機を抑える治療、逆に脈が非常にゆっくりとなりめまいや脱力感、呼吸困難感が出てくる人には心臓の拍動を維持するペースメーカーの留置といった治療になるため、発作が起こった際の自覚症状を詳しく循環器内科専門医に告げて適切な治療を受ける必要があります。③に関しては短時間の発作で治まる場合や、症状がそれほど強くなければ行われないこともあるため、たいていの場合には①②の治療で事が足りていることが多いです。いずれにしても、発作性心房細動をはじめとして不整脈治療は循環器内科専門医の治療を受けるべき疾患と考えられますので、それをご理解いただければと思います。

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