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‎第8回 LDLそんなに悪玉か? 優秀な経理は会社(体)を救う(その1)‎

[2021.11.22]

「悪玉コレステロール(LDL)、善玉コレステロール(HDL)」とマスコミが紹介し、日本国民の永遠のヒーロー水戸黄門の記憶と相まって皆様の心に深く響いたことと思います。でも、LDLはそんなに悪なのでしょうか?確かに高すぎるLDL値は脳梗塞、心筋梗塞等の大病を引き起こして健康寿命を縮めるため、治療対象となる健康のパラメーターです。

では、LDLの身体における役割を見てみましょう。LDLは血管を新しく作る資材です。体の中で新しい血管を作る際、損傷した血管を修復する際には必ずLDLが資材として使われます。日々成長し身体の中で新しい血管を作る子ども達のLDL値は非常に低く、成人の基準値の半分にも満たない数値となります。これは生産工場(肝臓)でLDLが生産されるやいなや、成長により新しい血管が作られている状態を表します。つまりLDLは人間の身体になくてはならない成分の一つなのです。

ではなぜ、悪玉コレステロールの汚名を着せられたのでしょうか?問題は発注と輸送にあります。ある工務店を例にとって見てみましょう。親方(社長)は腕は一流だが計算は苦手、勘定・発注はいつもドンぶり勘定、瓦も柱も壁材もいつも多めに発注します。それでも、奥さんが健在な頃は経理を担当し、余った資材の返品や発注の修正と内助の功を発揮しています。会社も安定しておりましたが、ある日奥さんが倒れて急逝されます。親方は悲しみに暮れつつも仕事に励みます。新しい現場ではいつも通りの発注を終えたところ、一気に大量の資材(LDL)が現場にトラックで到着します。道路(血管)を通って配送された資材は狭い現場にあふれかえり更には道路にも置かれます。たちまち付近は交通渋滞、近隣住民の生活もできない状態となりました(血管の閉塞)。困った親方は建物を建て増し、建て増し、本来の設計とは異なった部屋や壁を作り敷地をオーバーして道路にはみ出た建物を建てて完成です(血管の狭窄・動脈硬化)。当然予算もオーバーとなり、会社はクレーム対策(閉塞性動脈硬化症・狭心症)、資金難(循環不全・心不全)に陥ります。「母ちゃんがいたときはよかった」涙にくれ後は廃業を待つばかりと覚悟を決めた親方でしたが・・・・。その時!

(その2)に続く。

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