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第23回 子育てとスマートフォン ~上手な小児科のかかり方~

[2022.07.25]

 先日、当院にてこのようなことがありました。新生児を連れたお母様が来院し、お子様の発熱を訴えられました。体温は37.5℃新生児の体温としてはギリギリ発熱しているかどうかの体温です。軽く咳をするとのことで呼吸音の聴診を行いましたが、明らかな肺炎を示す音はなく全身状態は良好でした。2次救急病院への紹介か、一晩経過を見るかの判断に迷いました。前日夜間の様子を聞くと、スマートフォンで寝ている様子を動画撮影していたものを閲覧させていただきました。その時の咳の状態を見た上でヒトメタニューモウイスルの診断を行い、2次救急病院へのスムーズな紹介、入院につながりました。以前当院を受診していただいた際に、何か日常と違う様子であれば、写真・動画を撮影する事を説明しておりましたのでそれを実行していただいた結果でした。常日頃、お子さまと密に接しておられるお母様方のいつものお子様とは何か違うという観察力は全国の小児科医の大変頼もしい味方です。しかし、その何が違うかを小児科医へ伝えることが一番難しく、小児科医もそれをどう聞き取れば良いのかを日々頭を悩ませております。

当院でのお母様方にお願いしているスマートフォンの利用方法は

①皮疹が出現したら、すぐに正面と斜め方向からの2方向撮影を行い、皮疹範囲が広い場合には全体像も撮影をお願いしております。受診時には皮疹が消失している可能性があります。

②夜間の咳嗽は日中には消失していることもあるため、音声と併せて動画での撮影をお願いしています。

③熱性けいれん等の痙攣時には発症時刻と発作時の動画、痙攣が頓挫したときの時刻の記録をお願いしております。

④下痢や血便といった便の異常はオムツを広げた状態での写真撮影と、ビニール袋に密閉した状態でのオムツの持参をお願いしております。オムツの中で時間経過した便は変色して診断が困難となります。

以上が当院におけるお母様方にお願いしているスマートフォンの利用方法です。より正確に病状を小児科医へ伝える手段として活用いただければ幸いです。

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