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第25回 健康診断で血糖値の高い方へ ~将来の糖尿病、インスリン注射を回避するには!その2~

[2022.10.19]

前回に引き続き、血糖と糖尿病のお話です。まずは前回の復習です。

①人間は体の中でエネルギーを作ることができない日本と同じ食糧輸入国です。

②血液の流れは貨物船を使った海上輸送そのものです。

③食物から得られた栄養素はインスリン(フォークリフト)によって筋肉内(巨大倉庫)に一時保管されます。

④筋肉量が減ると、倉庫に保管できない栄養素が血管の壁に不法投棄されて血管を詰まらせます(動脈硬化)。

以上が前回までのお話でした。

年齢が高くなると、全ての人は筋肉量が落ち、代わりに脂肪組織に置き換わってきます。しかし、これを防げば、糖尿病の発症を予防することが可能です。では何をすればよいのでしょうか?答えはスクワットです。人間の筋肉は年齢が何歳になってもトレーニングに反応して筋肉量が増えます。そしてその増え方は、現在の筋肉量の%単位で増えていきます。皆さんスーパーのお総菜コーナーで100円引きと30%引きどちらがお得になるか計算してしまいますよね!そうです、元の値段が高い商品ほど%で値引きされるとお得になります。商品の値上げや筋肉量増加のお話も同じで、体の中で最も大きな筋肉は大腿と下腿を併せた両足の筋肉です。僅か0.1%でも増えれば、食料(血糖)を貯蔵する大きな倉庫が建築されます。

ウォーキングも有効なトレーニングですが、行える人もいれば時間と膝の痛みといった問題から現実的でない方もいらっしゃいます。そこで、ゆっくりと5~10回のスクワットをゆっくり行ってみてください。腰を沈める範囲は膝が完全に曲がりきる前、半分で止めてゆっくり戻してください。「え?たったこれだけ」ええそうです、たったこれだけです。皆さんは既に普通の生活で足を使っているのです。トレーニングとは普通の生活に上乗せするものなので、それでいいのです。もう少し頑張りたい人であれば、10回→8回→5回と1セットの回数を減らして、複数セットを挑戦してみてください。毎日、下肢に対する少しばかり負荷を上乗せすることが大切になります。糖尿病の治療の一つに運動療法があります。多くの方が、運動することによりカロリーを消費して血糖を下げると思ってしまいますが、それだけではありません。一番の目的は運動により筋肉量を増やすことが目的と考えてみてください。だから激しい運動は必要ありません。僅かなスクワットで十分です。

次回は、すでに糖尿病を診断されて治療を受けられている方に向けて、現在の糖尿病の治療の方針とお薬のお話をしていきたいと思います。

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