年末に特定検診を受けられる方は多いですが、高血圧症という結果を真摯に受け入れて治療につなげられる方は数がぐっと少なくなります。多くの方が口をそろえて外来で質問されるのは「血圧の薬を始めたら一生飲み続けないといけないのでしょうか？」誰でも健康にはなりたいと願いますが、もっとお手軽に一時的な治療で済ませたいですものね。当院の外来では以下のように説明を行っております。

シンデレラという童話を思い出して下さい。意地悪な継母と３人の義理の姉にドレスがない為、お城の舞踏会に連れて行ってもらえません。そこに登場するのが魔法使いのお婆さんです。ビビデバビデブゥ！と魔法をかければ貧しい服は美しいドレスにカボチャは馬車に変身します。シンデレラは舞踏会に参加できて素敵な王子様と楽しいひと時を過ごしますが、魔法は０時に効果がなくなります。その後、紆余曲折を経ますが、ガラスの靴のおかげで王子様と結婚できます。でも、お話としては面白くないですが、もし魔法使いのお婆さんがお城の入り口に0時に待ち受けていればどうなったでしょうか？0時に休憩として城外に出て来たシンデレラに2回目の魔法をかければそのまま結婚までスムーズにいったと思います。これを血圧治療に当てはめると、魔法使いのお婆さんのビビデバビデブゥと杖の一振りは血圧の薬と同じです。高血圧を指摘された方も10代20代での血圧は正常血圧であったことでしょう。血圧の薬は魔法が体にかかり若かりし頃の血圧に戻すことができるのです。さらに、24時間たてばその血圧魔法も効果がなくなりますが、次に内服をすれば魔法をまた体にかけることができるのが、シンデレラと違うところです。

血圧の薬は血圧若返りの魔法、24時間で効果は切れるが翌日に内服することで同じ魔法を繰り返しかけることができます。以上のように考え方を変えてみてはいかがでしょうか？治療になかなか踏み込めないでいる方の助けとなれば幸いです。

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