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第18回 べとべとの鼻水、お顔も服も汚れて困りもの。でも鼻水だって必要なんです!

[2022.03.14]

季節の変わり目、風邪で急に体調を崩したり、花粉症になったりと大変な時期です。連日小児・成人を問わず多くの患者様が鼻水を主訴に来院されます。鼻水でべとべとになったお顔をお母さんの服にしっかりとくっつけて抱っこされて来院されるお子様も多いです。子育て中のお母さんには鼻水は困った問題の一つと思います。今日はそんな困りものの鼻水のお話です。

まずは赤ちゃんの鼻の穴を覗いてみましょう!赤ちゃんの鼻の穴は小さくて狭いですが、ほとんど鼻毛が生えていません。頭髪もほとんどないので鼻毛がないのは当たり前ですね。赤ちゃんは一日のほとんどを寝た状態で過ごしています。大人に比べて圧倒的に床に近い位置で生活をする赤ちゃんは、床のホコリを吸い込みやすい環境で生活しています。そこで鼻水が重要な働きをします。赤ちゃんの鼻水はカーペットのお掃除道具コロコロの代わりです。鼻の穴に侵入したホコリをコロコロの粘着面と同様に吸着して気管支や肺に侵入するのを防いでいます。みなさんコロコロを使用していて、ホコリやゴミがついた粘着面はどうしますか?そうですペリッと剥いて新しい粘着面を出してお掃除を続けますね。赤ちゃんの鼻水だってそうです。ホコリを一杯含んだ鼻水は取り除くのが一番です。お薬ではないんです。市販の鼻水吸い取り器でも、医療機関でもよいのできれいさっぱり吸い取ってもらってください。赤ちゃんの鼻水は出るものです。何故なら鼻毛の代わりをしてくれているからです。もう一つ鼻水や、気管支からの淡には重要な働きがあります。それは界面活性剤としての働きです。何だか難しい言葉が出てきました。でも話は簡単です。乾燥して荒れたお肌にパックや化粧水を塗ればしっとりとして皮膚が柔らかくなり皮膚が延びて皺がなくなりますよね。これが界面活性剤の力です。鼻や気管支の内側の空気が通る粘膜に潤いを与えて、粘膜をさらに柔らかくして空気の通る道を大きく広げて楽な呼吸をしてもらうために鼻水と痰が活躍しているのです。鼻水に含まれるムコ多糖類という物質が鼻水のねばねばの原因の一つですが、ムコ多糖類は界面活性剤の役割を果たしています。美容用の製品にも自然素材等のムコ多糖類が含まれていると思われます。今まで鼻水は困りものでしたが、鼻水だって意味があって出ています。でも本日覚えてほしいのは、ホコリを一杯含んだ鼻水は取り除くのが一番です。鼻水はまた出てきますのできれいさっぱりにとってあげましょう。

次回は困った鼻水とそうでない鼻水の話をしたいと思います。

注:鼻水は化粧品の代わりにはなりません。

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