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第5回 感染症「本当は怖いおたふくかぜ」ワクチンもあるよ!

[2021.11.01]

今回は、前回に引き続き感染症:おたふくかぜのお話です。おたふく風邪のワクチンが1981年より国内承認され、40年の歴史あるワクチンです。しかし、残念ながらまだ公費負担である定期接種ではなく、費用負担のある任意接種のワクチンです。当院では1回6600円となっております。おたふく風邪は一度罹患すると終生免疫が獲得されるため、以前は子供のころに罹患することが大切?と間違った認識がされていました。しかし、子供のころに罹患したとしても、髄膜炎、感音性難聴、精巣炎、卵巣炎、膵炎といった合併症が起こることもあり、頻度は低くても耳が聞こえなくなったり、男女問わず不妊症となったりとお子さんの将来を大きく左右する後遺症を残す可能性があります。おたふくかぜワクチンは標準的には1歳~2歳で1回目、年長さん5-6歳で2回目接種となります。定期接種である麻疹風疹ワクチン(MRワクチン)と同じタイミングとお考え下さい。大人になって罹患した場合には合併症のリスクが上昇するとの報告もあるため、罹患歴のない大人も対象となります。おたふく風邪は顎の骨のエラと耳たぶを結ぶ線のすぐ後ろ側に存在する耳下腺という場所にムンプスウイルスが炎症を起こし、両側の耳下腺が晴れるため、お正月のおたふく面の様なお顔になることからその名前がついております。左右両方の耳下腺が腫れる場合が多いですが、腫れ方の左右差がある為、片方のみ腫れて見えることもあります。片側しか腫れていないため、おたふく風邪ではないとはなりませんのでご注意ください。おたふく風邪の出席停止期間は発症から5日間は必ずお休みとなります。その後は本人の状態を見て登園・登校を決定していきます。伝染力が非常に強いため、ワクチンを受けられなく免疫も無い1歳未満児の通う保育園では他の園児さんのことも考え、登園日時を担当の先生とご相談ください。接触から病気の発症まで約3週間を要するため、感染経路が不明なことが多いですが、兄弟間では3週間目の発熱や風邪症状、耳下腺の腫れ等の症状にご注意ください。

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