各種超音波検査(頸動脈エコー、心エコー、下肢静脈エコー、末梢動脈エコー)について
超音波検査(エコー)とは
超音波とは、一般的に20kHz以上の「人の耳には聞くことのできない高い音」のことをいいます。
超音波検査(以下エコー検査)では、体に照射した超音波が反射し、反射した超音波を解析・画像化することで、心臓や腹部の臓器、血管等の評価をします。超音波は身体に無害で短時間で非常に多くの情報をリアルタイムに得ることができる有効な検査です。
頸動脈エコーとは
脳梗塞・心筋梗塞・心臓弁膜症などの疾患において、頸部(首)の血管の動脈硬化や血液の流れ具合を超音波で調べる検査です。脳梗塞やめまいなどの原因となる、動脈硬化病変の有無が分かります。
検査について
左右の首がよく見えるよう襟のついた上着は脱ぎ、枕をせず仰向けに寝てください。検査中のおしゃべりはお控えください。
心エコーとは
心臓超音波検査とは、高い周波数の音波(超音波)を用いて、心臓や血管の形・血液の流れを調べる検査です。人工弁やペースメーカーに影響はありません。以下のような内容を調べることができます。
- 心臓の形や大きさ、動き方
- 心臓の逆流防止弁の動きや形態
- 血流の逆流や流れの速さ
- 心臓周辺や胸部に異常な液体が溜まっているかどうか など
検査について
胸にゼリーを塗り、そこにプローブ(探触子)と呼ばれる超音波発信器を軽く押しあてて検査を行います。検査中は上半身の衣類を脱いで、左横向きにベッドへ寝ていただきます。X線と違って被ばくの心配がないため繰り返し行うことができ、痛みや苦痛はほとんどありません。患者さんの疾患や状態などで異なりますが、検査にかかる時間は約15-20分程度です。
下肢静脈エコー、末梢動脈エコーとは
脚部にある深部静脈という血管には、血液のかたまり(血栓)ができることがあります。その血栓が肺に流れて詰まると、呼吸困難や突然死をきたす可能性があります(肺血栓塞栓症)。下肢血管超音波検査は、深部静脈にある血栓を探るのに効果的な検査です。
太ももからくるぶしにかけて動脈や静脈の流れが順調か、血栓がないかを検査します。
具体的には、以下のような疾患を調べることができます。
- 歩行時の足の痛みやしびれの原因となる閉塞性動脈硬化症の有無
- 脳梗塞・足のだるさ・むくみの原因となる深部静脈血栓や静脈瘤の有無と原因
検査について
足にゼリーを塗り、そこにプローブ(探触子)という超音波発信器を軽く押しあてるだけです。痛みや苦痛を伴わず、何度でも検査ができます。患者さんの疾患や状態などで異なりますが、検査にかかる時間は約15-20分程度です。