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第6回 ワクチンの種類と副反応について。がんばれ消防隊(白血球)!

[2021.11.08]

10月以降、野瀬内科小児科ではインフルエンザワクチンの接種をおこなっており連日多くの患者様に御来院いただいております。日本では多種類のワクチンの接種が行われていますが、大まかなワクチンの説明を今回は行いたいと思います。「ワクチン(予防接種)とは消防隊の消火訓練である!」まずこれをご理解いただきたいです。ワクチン接種を受けるということは、自身の体に訓練の小さな火災を起こさせ、消防隊(白血球)がその疑似的な火災を鎮火させる訓練です。その為、接種部位が赤く腫脹したり、接種後に発熱を来しても訓練の一時的な火事ですから、当たり前の反応です。本年、成人を中心に接種が進むコロナウイルスワクチン接種後の発熱の話題が大きく取り上げられていましたが、他のこれまでのワクチンと比べて大きな変化ではありませんのでご安心頂けければと思います。どのワクチンの接種を受けられた後でも訓練の火災は48時間以内に消し止められますので、仮に発熱を来したとしても、48時間までは無治療で経過を見られてもよいと考えます。ただし、48時間を超えて発熱が継続した場合や、接種部位の発赤・腫脹・発熱以外の症状が加わった場合には訓練の火事が大火事になってしまったか、全く別に本当の火災(疾病)が起こっている可能性が高い為、病院受診をお勧めいたします。自分の住んでいる町の消防隊の皆様が、何度も何度も同じ訓練を積んで、本当の火災に備えていることを皆様は御存じだと思います。白血球とて訓練は一回では終わりません。複数回同じワクチンを受けるのは、皆様の身体を守るため、繰り返しの訓練を行っているのです。一回目より二回目、二回目より三回目の訓練は速やかに白血球が活発に動くため、早くに副反応が出たり、症状が強く出る場合がありますが、何も心配はいりません。接種部位を冷やしたり、安静を保ったり、必要に応じて解熱剤を使ってみるのもよいと考えます。火災の種類が、木造平屋の場合と高層ビル、化学工場では違うようにワクチンにも種類があります。ワクチンは大まかに分けて生ワクチン、不活化ワクチン、メッセンジャーRNAワクチンの3種類とお考え下さい。生ワクチンは毒性を著しく低下させた生きたウイルスや細菌を開発・発見してワクチンとして使用します。ですから、頻度は極々稀ですが本来の疾患に非常に近い症状が出現することがあります。しかし、得られる免疫力は強力で生涯継続します。生ワクチンとしてはBCG、MR(麻疹風疹)ワクチン、水疱瘡ワクチン、おたふく風邪ワクチンがあげられます。メッセンジャーRNAワクチンは言わずと知れたコロナウイルスワクチンですね!メッセンジャーRNAはウイルスの身体を構成するタンパク質を作る鋳型の働きをしています。この鋳型をワクチンとして接種すると人間の身体がウイルスのお面を作ることで白血球がそれを相手に訓練を行います。ですから、ワクチンを受けてもワクチンそのものでコロナウイルスに罹患することは絶対にありません。残りのワクチンは全て不活化ワクチンです。不活化ワクチンはウイルス・細菌を培養した後に薬品で完全に殺して(不活化)製剤にしています。獲得される免疫は生ワクチンよりも弱い為、複数回の接種が必要であることに加えて、接種を受けても疾患に罹患する場合がありますが最も安全性が高く、管理・保存等がしやすく普及しやすいワクチンです。コロナウイルスワクチンも不活化ワクチンが開発されれば、季節性インフルエンザと同様に対応できる社会に一歩近づきます。その日が来るのを待ちましょう!

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